飲食店に商標登録って必要!?

「商標権」の存在とその必要性を知っていますでしょうか?
「うちの会社は年商も低いし、価値が低いから商標権など取る必要ない」と思っている方も少なからず、いるかもしれません。
しかし、その考えは誤りです。

 

もともと商標というのは実はそれ自体は価値はありません。ただ、そのマークを見て、お客様がその特定の会社の商品を選択するから価値があるのです。つまり、お客様の信頼が商標の価値なのです。しかし、商標を取っていなかったために、長年営業してきた店舗名を変えざるを得なくなったトラブルが実は多く発生しているのです。

 

飲食店の場合、小さなお店から出発して繁盛店へ成長し、フランチャイズ展開や暖簾分けの仕組みを活用して多店舗展開を加速させていくというパターンが王道ですが、そのような段階で、万一商標権を他人に取得されてしまえば、今までの努力が水の泡と消え、店名を変えて初めから再出発になりかねません。
また、小さな個店であっても、商標権をとっていなかったために、店名を変えざるを得ず、看板やメニューブック、Tシャツなどの再作成が必要となり、商標権取得費用(5年であれば1区分で10万弱、2区分で15万弱)よりも大きく費用がかかってしまったという事例も発生しています。

まず自社のビジネスの形態から、どのような場合に商標を役立てるか、イメージを持ち、早めに権利取得をしておくことが大切です。

 

●商標とは
商標とは、事業者が自己の取り扱う商品や役務(サービス)を、他人の商品や役務と区別するために、その商品または役務について使用する標章(マーク)を言います。

 

●商標権の効果
商標登録がされると、商標権が発生します。商標権とは、指定した商品や役務について、登録商標を独占して使用することができる権利です。また、商標権を侵害する者に対して、侵害行為(販売等)の差し止めや損害賠償等を請求することができます。商標権を取得しておけば、その商標権の独占可能な範囲において、他人から突然商標の使用を止めさせられるといった不測の事態はなくなりますので、商標を安心して使用することができます。

 

●商標権を取得するには
商標権を取得するには、特許庁に「商標」及び「指定商品・役務」を特定して商標登録出願を行い、特許庁から商標登録を受ける必要があります。

特許庁の審査官が商標登録出願の審査を行い、その出願が一定の要件を満たしていれば商標登録を受けることができます。
商標権の区分は、大きく商品とサービスに分かれます。商品の区分は第1類〜第34類で、サービスの区分が第34類〜第45類です。

飲食業であれば、商標が商品に関するものであっても、店内で食べるものは商品ではなくサービスの第43類「飲食物の提供」になります。持ち帰り商品(テイクアウト)の場合は、消費者は店内で食事をするわけではないため、店内で消費する場合の第43類「飲食物の提供」だけでなく、テイクアウト可能な各「商品」を指定して登録を受けることが必要です。
例えば回転寿司屋に持ち帰り(テイクアウト)コーナーがある場合は、第43類「飲食物の提供」だけでなく第30類「すし」の商標登録が必要となる場合があります。