いきなり税務署がきた!そんなときどうする?

開業して数年経つと「そろそろ税務調査がくるかも」と気になってくると思います。知り合いの経営者から税務調査についての体験や噂を聞いて、税務調査は「よくわからないけれど、怖いもの」と漠然としたイメージを持っているのではないでしょうか。

 

・税務調査とはどんなもの?
そもそも税務調査とはどんなものなのでしょうか。
国税庁が公表しているパンフレット「税務手続について」では、税務調査について次のように定めています。
“税務調査は、申告内容が正しいかどうかを帳簿などで確認し、申告内容に誤りが認められた場合や、申告する義務がありながら申告していなかったことが判明した場合には、是正を求めるものです。”
つまり、税務調査とは過去の申告の内容をチェックし、売上や経費が正確に計上されていないなど、本来納めるべき税金を納めていない場合に追加で納税をすることです。もちろん、申告内容に誤りがない場合は追加の納税は発生しません。


・税務調査の連絡

税務調査の手続きは国税通則法という法律で定められており、この法律に則って税務調査は行われます。
原則として、調査の1〜2週間前に納税者に対して調査の日時・場所・調査対象税目・調査対象期間などが通知されます(納税者が税理士と顧問契約をしている場合には基本的にまずは税理士へ税務署から連絡があり、調査日程の調整などのやり取りは税理士が行います)。
ただし、例外として税務署等が保有する情報から、事前通知を行うことにより正確な事実の把握を困難にする、又は調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるなどの法律の要件に該当する場合には、事前通知せずに税務調査を行うこともできます。

 

・飲食店の税務調査
飲食店の税務調査はどのように行われるかというと、事前通知のない例外パターンが適用されることが多くあります。
飲食店は現金商売の代表格であり、東京国税庁が発表する「不正発見割合の高い10業種(平成28年11月公表)」のうち1位 バー・クラブ、2位 大衆酒場・小料理、3位 その他の飲食、4位 外国料理、6位 日本料理と10業種のうち、半数が飲食業となっております。
納税意識が低い納税者にとっては現金の入金をレジに入力せず、伝票を捨ててしまうという単純な手法で簡単に脱税ができる、かつ脱税の割合が多い業種であると税務署には見られています。
そこで税務署側としては「○月○日に調査に行きます」と連絡してしまうと証拠を隠されてしまったりして実態を調査できないと考え、通知なしでいきなり行われる税務調査の割合は他の業種に比べて高くなっています。

 

・いきなり税務署がきたらどうする?
では実際に、お店や経営者の自宅の前に税務署の職員が待ち構えている場合はどうすれば良いのでしょうか。
税務署の職員が来た場合には、税務署側の言う通りに動かないといけないと考えがちですが、そんなことはありません。あくまでも税務調査は任意調査なので「仕込みが終わらない」や「突然なので今日は予定があって対応できない」など正当な理由がある場合にはその日の調査は断ることが可能です。

 

<対応のポイント>
①お店や自宅の中に入れない
「税理士に連絡しますので、そのままお待ちください」と言って、外で待っていてもらいましょう。何を言われてもお店や自宅の中に入れないことがポイントです。すぐに税理士と連絡が取れた場合は税務署側との話は電話などで税理士に任せてしまって大丈夫です。もし税理士と連絡が取れなかった場合でも、落ち着いて②の対応を行ってください。


②今日は予定があり、日を改めて欲しいと伝える

経営者も税理士も税務署が来た日に何も予定がない場合の方が少ないでしょう。
税務調査を嫌がっているわけではなく、今日は時間が作れないので日程を変えて欲しい。日程を変更してもらえれば、ちゃんと調査に応じる。ということを丁寧に伝えましょう。

 

税務署側は「営業の邪魔にならないようにする」などと言って、あの手この手で、少しでも調査を進めようと交渉してきます。勝手に調査を始められ、見せる必要のないものまで見られてしまい後からトラブルとなるケースが多くあるため、調査官を自宅やお店に入れないことが最も重要なポイントです。

 

・まとめ
現金商売の飲食店には税務調査は予告なしに突然やってきます。経営者が現場いない時に税務署が来ることも想定して、日頃から店長などの現場責任者にも正しい対応方法を伝えておくことが突然の税務調査を乗り切るための秘訣です。