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コラム

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2021.10.05

飲食店に税理士って必要?メリットと費用相場を解説!

これから開業しようとしている方の中には「まず自分で経理をやってみて、必要なら税理士に相談してみよう」と考える方や、現在飲食店を経営されている方の中には「毎月何万円も払って税理士にお願いする必要ってあるのかな」と考える方がいらっしゃいます。
一方で、税理士と契約して、業務の効率化や、業績の拡大を成功させている飲食店も多くあります。このような飲食店は、困っていることが解決されたり、費用を上回るメリットを実感しているから税理士と契約しているわけです。
そこで、この記事では飲食店が税理士と契約するメリットを中心に、費用相場や、税理士を選ぶ際の注意点について解説していきます。

飲食店経営者が税理士と契約するメリット

税理士と契約すると、飲食店経営者にとってメリットがたくさんあります。そして、税理士と契約するのであれば、開業前に契約しておくのが実は一番得策です。

開業予定の方のメリット

資金調達の支援を受けられる

飲食店の開業のためには、金融機関から開業資金の調達を受けることが不可欠です。この時に、もっとも利用しやすいのが、日本政策金融公庫の創業融資です。この創業融資を受けるためには、お店をどのように経営していくかを説明する事業計画書に始まり、様々な書類を準備する必要があります。
また、書類づくりだけでなく、融資面談があったり、万が一希望額が通らなかった場合にどうするかも考えておかなければなりません。この辺りは、飲食店経営の経験が無い方が自分で調べてやるのは非常に難しいでしょう。

しかし、創業融資や飲食店の開業支援を数多く行っている税理士と開業前に契約しておけば、資金調達の準備作業はまるごとサポートしてもらえますので、一気に楽になります。
また、融資面談についても準備やポイントをレクチャーしてもらうことができ、成功確率を上げることができます。

参考までに、融資面談とはどのようなものかについて知りたい方はこちらの記事にまとめてありますので、ご覧ください。

現実的な数値計画が立てられる

開業準備において、もっとも大切なものが創業融資獲得のための事業計画の作成です。有効な事業計画を作成するためには、売上計画だけでなく、費用や資金繰りを様々なパターンでシミュレーションしながら検討していくことが必要です。

こんなとき、経験豊富な税理士なら、現実的で説得力のある事業計画書を作成することができます。立地や戦略に関する相談から始まり、失敗事例や成功事例も教えてもらえますので、地に足の着いた計画となり、創業融資が成功しやすくなります。

また、飲食店経営について詳しい税理士であれば、開業当初の難しさを知っておりますので、運転資金の見積もりや、数値計画を踏まえたオーナーの生活費などについても計算してもらうことできます。

もちろん、知識や経験がある方であれば、自分で行うこともできますので、こちらの記事を参考に、事業計画書の内容について検討してみてください。

経営中の方のメリット

現在飲食店を経営中の方も税理士と契約するメリットはあります。特に2店舗目や3店舗目へ、多店舗展開を目指していこうとされる方は早めに税理士との契約を進めた方が安心感を得られるでしょう。

本業に集中できる

現在税理士と契約していないのであれば、これが一番のメリットです。飲食店オーナーであって、しかも経理のプロであるという方はそうそういません。自社で経理業務を含めたバックオフィス業務を任せられる人材を雇用するのは、年商3億円以上、もしくは5店舗以上を経営している状態になってからでないと資金的に難しいところです。
それまでの間は、税理士に経理や税務を丸投げし、新メニューの開発や味の研究、サービスの充実、従業員の育成に力を注ぐ方が良い時間の使い方と言えるでしょう。

経営のアドバイスがもらえる

複数の店舗を展開するためには、開業時と同様に、資金調達が必要となってきます。現在のお店の状態で金融機関から融資を獲得できるのか、或いは獲得するためにはどうしたらよいかなど、調達のための客観的なアドバイスを得られることは非常に大きなメリットです。

また、概ね3店舗以上の店舗を経営していると、経営者の目が行き届かなくなり、お店の状況が把握できなくなってきます。把握できない中で、どんぶり勘定で経営していると、気づいたら資金が無い、忙しいのになぜか赤字で生活が苦しい、など経営状態が悪化していきます。経営状態が悪化する前に、先手を打って対応していかないとお店は健全になっていきません。

しかし、税理士が正しく帳簿を付け、こまめにモニタリングしていれば、いち早く経営の悪化に気づき、資金繰りの改善や、つなぎの融資など様々なアドバイスをもらうことができるようになります。

税理士と契約する場合の費用相場

こちらでは、飲食店が税理士と契約する場合の費用相場を解説します。飲食店の場合、個人事業主の方と法人の方で大きな違いはなく、年商(売上)と訪問回数で顧問報酬を決めているところが多いです。

ここでは、飲食店の方にとって分かりやすくするために、目安となる店舗数も示しております。もちろん、業種や業態によって店舗あたりの年商は様々ですので、この限りではありません。
飲食店の料金相場
実際の報酬は、顧問報酬、記帳代行、決算報酬に加えて、アルバイト・スタッフ人数分の年末調整業務や、会計ソフトの使用料が必要な場合もあります。このあたりは、契約や見積もりを依頼する際に確認してみてください。

飲食店に強い税理士の選び方

飲食店に強い税理士にはいくつかの特徴があります。この特徴を踏まえたうえでいろいろな税理士の話を聞いてみましょう。

記帳代行に自信がある

飲食店は、他の業種に比べて、会計処理自体はシンプルです。しかし、軽減税率制度の影響を大きく受けていることや、UberEatsや出前館などの販路が増え販売手数料の処理が増えたこと、PayPayなど決済手段が多様化しキャッシュレス決済の手数料の処理が増えたことにより、仕訳量が多く、税理士としても入力する負担が大きくなります。そのため、「飲食店の会計処理は手間!」と考えて、記帳代行を受けていない税理士も少なくありません。
税理士が手間に感じるということは、オーナーはもっと大変であり、会計処理や入力に多くの時間を割かれることになります。税理士に頼んだのに、楽にならない、というのは本末転倒です。

そのため、記帳代行を任せられる税理士は、飲食店にとって最も重要な条件といえます。特に、領収書や、請求書を丸投げしても、店舗別に正しい情報が記帳され、スマホやPCからいつでもその帳簿データを確認できること(クラウド会計ソフトを利用していること)が理想です。

資金調達の実績がある

飲食店のお金の悩みの解決策の一つは資金調達です。そのため、飲食店の資金調達の実績が豊富にあり、普段から金融機関と数多くやり取りしている税理士を選びましょう。
こういった税理士は、資金調達のための資料作成を支援してもらえるだけでなく、お金を借りやすく見栄えの良い決算書を作ることにも精通しています。金融機関からお金を借りたいと思っても、税理士が作成した決算書が金融機関からみるとお金を貸しにくいものとなっているケースもよくあることです。

飲食店の顧問先が多い

飲食店の顧問先が多いと、最新の情報が入ってきます。同じ業種の飲食店でなくても、成功事例や失敗事例を守秘義務の範囲内でフィードバックしてもらうことができ、お店作りに役に立てることができます。

飲食店の経営状況や課題は似ているものが多いので、「これは自分の店だけかな?」と思うことを質問したり、「今が借りやすいチャンスですから、資金調達に動きましょう」という提案をもらうことができます。

税理士と契約する際の注意点

依頼するタイミングに注意

初めて契約するなら申告期限の半年前が目安

はじめて税理士と契約する場合や、しばらく契約して無かったが再度契約したい場合は、申告期限まで半年程度の余裕がある状態で依頼しましょう。例えば、確定申告の時期になって、その年の申告を急に税理士に依頼をしても、なかなか受けてもらえないか、受けてもらえたとしても料金が高くなることが考えられます。
なぜなら有能な税理士ほど多くの顧問先を抱えていて、新規の案件まで手が回らない場合が多いからです。

税理士変更なら決算後が目安

既存の税理士から飲食業界に強い税理士に変更したい場合は、決算後が一番良いタイミングです。決算まで前の税理士に処理をしてもらい、次の会計期間の分から新しい税理士に変更すれば、会計処理もスムーズにできるようになります。
例えば決算が8月の場合、9月以降の会計処理は新しい税理士に依頼し、10月期限の確定申告は前の税理士に処理をしてもらえばよいでしょう。

帳簿はほとんど自分たちで付けているので、税金の計算や、節税の相談、申告書の作成と申告業務だけ頼みたいという場合でも、前もって税理士を探し、予めその旨を伝えておいた方が適正な価格で契約ができるでしょう。

格安な報酬をうたう税理士に注意!

月額15,000円を下回る報酬を表示している税理士は要注意です。「安かろう悪かろう」となるパターンか、本当にお願いしたいことを頼むと「実は相場以上」というパターンであることがほとんどです。

格安報酬の前提条件として、以下の項目が含まれている場合は、その報酬で税理士と契約するメリットが十分に得られない可能性が高いです。

  • 年商300万円以下限定である
  • 記帳代行無し(あっても自分で入力が必要)
  • 相談や面談は別料金
  • 初年度のみの価格である

税理士のサービスは見えにくく、その品質もわかりにくいものです。だからこそ、実際に話をするときには、自分が本当に依頼したいことは何か、費用を払うに値するメリットが得られるのかを考えておくことが大切です。

まとめ

飲食店が税理士と契約するメリットや相場、税理士の選び方、注意点についてまとめてきました。税理士にも得意分野、専門分野があります。自分の要望にあった税理士をうまく使うことで、開業時の資金調達や、開業後の事業展開を有利に進めることができるようになります。ぜひ、良いパートナー税理士を見つけ、ご自身の店舗を盤石なものにしていってください。